ultraman(光の国)

熊の場所

※光の国や光の国のヒトについての独自設定がたくさんあります。※名無しのオリジナルキャラクターが出てきます。フィリスは休日を博物館で過ごすことが多い。今日訪れたのは、光の国の中でも大規模な施設だった。ちょうど開館二十万年を記念して大規模な展示…

深夜、夜食をたべる

※ウルトラ族が飲食をします。 足に根が生えたようだ。地面に張りついて動けない。脚から体温が下がっていく。石になる。もうずっと自分は石で、墓碑だったような気がする。故郷で死んでいったひとたちの、墓であるような気がする。それでも構わな…

もう誰も知らない話

かつて王国があった。王国には古い言い習わしがあった。王家に双子が生まれたならば凶兆、いずれ星は滅びるであろうと。しかし王国の民は争いを好まず、理知と慈しみを美徳としていた。因習は過去のものだった。だから嵐の日に生まれた王の子が双子だという報…

ささやかで、とめどないもの

トレギアの指がタイガに触れた。ホーンに伸ばされた指は、長い爪でタイガを傷つけないように慎重に移動する。あどけなさを残すタイガの目元をなぞり、トレギアは呟いた。「きみは、こういう顔をしていたんだな…」トレギアはタイガの輪郭を確かめるように、両…

天球儀に青いリボンを

トレギアは眼を覚ました。靄がかった視界がクリアになっていく。白い天井。消毒液の匂い。気温と湿度がコントロールされた室内。医務室か救護施設かなにかの寝台に横たえられているらしかった。「……?」トレギアは上半身を起こした。胸に凝った闇の気配があ…